199年代後半、もしかしたら2000年を迎えていたかもしれないが、夜な夜な吉祥寺駅前に手相を見る男が出没して、その手相診断?が当たりまくって気持ち悪いという噂があった。(あんまり話すと身バレしそうだが(汗))知っている人は知っていると思うが、噂ではなく彼は実在し、実際私も見てもらった。その時の話を少し。



夜20時頃、吉祥寺駅を出てロンロン方面を歩いていると、齢20代半ばのひょろっとした男性が足早に近づいてきて

「すみません。手相の勉強をしているので1分間だけ手相を見させて頂けませんか?」

と声をかけてきた。内心「キタ、キタっ!!!探してた人だ!」と思っていたが平静を装い「どうぞ」といって手相を見せた。友人は沢山見てもらっているのに自分だけが見てもらえてなかったので、くやしさのあまり3日間近く夜の吉祥寺をウロウロして、諦めかけていた時に会えたのでニヤけるくらいに嬉しかった。本当のところは「試して」みたかったんだけど。よくある「一分間祈らせて下さい」というアレではない。



「えー、ご兄弟いますね?えー、女性ですかね?えー・・・」

「えー、サッカーやってましたね?えー、芸術面、えーピアノやエレクトーン弾けますね?・・・」

「えー、小さい頃、なにか事故に遭いましたね?とても大きな・・・」

「えー、頭にその事故の傷がありますね?・・・」

「えー、あなたのお母さんは・・・」


彼の言ったこと全は全て当たった。
一度も私の顔を見ずに。手相だけで。
10秒ちょっとで恐怖に襲われた。



「えー、あなたは・・・・・」

ふと彼が顔を上げ私を見た。

「えーっと、えーっと、あなたは・・・・・」

「・・・あなたは?何でしょうか?」

「えーっと、えーっと・・・」

「・・・良いですよ。なんでも言って下さい。」

「えーっと、あなたは気付いていますね?」

心臓バクバクだった。ヘタレな私はその言葉が何を意味するかは聞かず、「何のことだかさっぱり」とはぐらかし笑い飛ばしたが、私はこの時初めて本物に出会ったと思った。



メンタリスト○イゴとかなんちゃら女子大生○エとかそーゆー類のものではなく、本物の不思議な力を彼は持っていたんだと思う。そして彼も気付いていたんだと・・・。

今彼を思い出そうとすると、擦り切れたスニーカーにヨレヨレのパーカーボサボサの髪は思い出せるのに、彼の顔だけが黒く塗りつぶされている。




結構な数の手相を見てたみたいだからもしかしたらコレを読んでるアタナも・・・